化粧品・医薬部外品のアッセンブリ|許可が必要な流通加工の委託先

新商品のギフトセット、キャラクターグッズの詰め合わせ、年始の福袋。複数の商品を一つにまとめる「アッセンブリ」は、商品の魅力を高めるうえで欠かせない作業です。
一方で、セットの中に化粧品や医薬部外品が入ると話が変わります。化粧品や医薬部外品を化粧箱に詰める、ラベルを貼るといった作業は、薬機法では「製造」の一部として扱われるためです。グッズと同じ感覚で委託先を選ぶと、許可のない場所で作業してしまうおそれがあります。
この記事では、流通加工(物流加工)におけるアッセンブリの役割と、キャラクターグッズ・玩具・福袋のセット組のポイントを解説します。そのうえで、化粧品・医薬部外品のアッセンブリに許可が必要な理由と、委託先を選ぶ際の確認ポイントを整理します。
目次
流通加工(物流加工)におけるアッセンブリの役割
アッセンブリとは
アッセンブリ(アッセンブリー)は、もともと「組み立て」を意味する言葉です。物流・流通加工の分野では、複数の商品や部材を組み合わせて、一つの販売単位に仕上げる作業を指します。
たとえば、本体と付属品を一つの箱に収める、複数の商品をギフトボックスに詰め合わせる、店頭用に数種類の商品をまとめて販売単位をつくる、といった作業がアッセンブリにあたります。
流通加工の中でのアッセンブリの位置づけ
流通加工とは、倉庫や物流センターで商品が出荷されるまでの間に、検品、値札付け、ラベル貼り、梱包などを施して商品の価値を高める作業の総称です。アッセンブリはその中でも、商品の組み合わせ方そのものを決める工程です。
検品やラベル貼りが「一つひとつの商品を整える作業」だとすると、アッセンブリは「複数の商品から新しい売り物をつくる作業」といえます。そのため、作業の正確さが商品の完成度に直結します。
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アッセンブリに含まれる主な作業
| 作業 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| セット組 | 複数の商品を組み合わせて一つの販売単位にする | ギフトセット、福袋、限定セット |
| 同梱 | 商品に付属品や販促物を一緒に入れる | 特典グッズ、説明書、ノベルティ |
| 封入 | 袋や箱に商品・部材を入れて閉じる | トレーディンググッズの個包装 |
| 組み立て | 部品を組み合わせて完成品にする | 玩具の簡易組み立て、什器の組み立て |
| シュリンク | セットをフィルムで包み、一体化させる | 複数個パック、ギフトセットの外装 |
| キッティング | 機器に設定や付属品をそろえて使える状態にする | タブレット端末の初期設定 |
キャラクターグッズ・玩具・福袋の詰め合わせ
アッセンブリが多く使われるのが、キャラクターグッズや玩具、福袋といった「組み合わせで価値が生まれる商品」です。ここでは、それぞれのセット組の特徴と、作業で気をつけたい点を解説します。
キャラクターグッズのセット組・同梱
キャラクターグッズでは、アクリルスタンド、缶バッジ、クリアファイルなどを組み合わせたセット商品や、購入特典の同梱がよく行われます。発売日やイベントに合わせて短期間に数量がまとまるため、作業人員を一時的に増やせるかどうかがポイントになります。
また、キャラクターやデザインの種類が多いため、組み合わせの取り違えや入れ忘れが起こりやすい商品でもあります。種類ごとの仕分けや、完成品の内容を確認する工程を作業手順に組み込むことが大切です。
玩具の組み立て・付属品の同梱
玩具では、本体に電池や付属パーツ、取扱説明書を同梱する作業や、店頭販売用に簡易的な組み立てを行う作業があります。小さな部品が多い商品は、部品の欠品がそのままクレームにつながるため、数量確認の仕組みが欠かせません。
対象年齢や安全表示のある商品では、外箱の表示とセット内容が一致しているかも確認しておく必要があります。
福袋・詰め合わせのアッセンブリ
福袋や季節の詰め合わせは、年末年始や行事の時期に作業が集中する、季節性の強いアッセンブリです。中身の組み合わせパターンが複数ある場合は、パターンごとの構成表と作業場所を分けることで、混入や取り違えを防ぎやすくなります。
販売価格に対して中身の価値を示す商品では、構成内容が企画どおりになっていることが信頼に直結します。完成後の抜き取り検品も計画しておきましょう。
グッズのアッセンブリで起こりやすいミスと対策
| 起こりやすいミス | 主な原因 | 対策の例 |
|---|---|---|
| 入れ忘れ・数量不足 | 部材の種類が多く、目視確認に頼っている | 重量検品、部材を並べる順番の固定 |
| 組み合わせの取り違え | デザイン違いの部材が似ている | パターンごとの作業エリア分け、構成表の掲示 |
| 外装の傷・汚れ | 手作業での取り扱いが多い | 作業台の養生、手袋着用 |
| 納期遅れ | 発売日前に作業量が集中する | 事前の人員計画、部材の早期入荷 |
化粧品アッセンブリ・医薬部外品アッセンブリに許可が必要な理由
グッズのセット組と化粧品・医薬部外品のセット組は、作業内容が似ていても法律上の扱いが異なります。ここでは、許可が必要になる理由を、都道府県の公式情報をもとに整理します。
薬機法では「包装・表示・保管」も製造にあたる
化粧品・医薬部外品は、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)で規制されています。薬機法では、中身をつくる工程だけでなく、包装・表示・保管も「製造」の一部として扱われます。
製造販売業者から委託を受けて化粧品の製造を行う場合は、製造所ごと・製造区分ごとに化粧品製造業許可を取得する必要があります(出典:東京都健康安全研究センター「化粧品と医薬品医療機器等法について」)。
また、製造販売業者の許可だけでは製造行為はできません。ラベルの変更も製造工程の一部となるため、製造業(包装・表示・保管)の許可が必要とされています(出典:広島県「化粧品製造販売業・製造業に関する相談窓口・手続きのご案内」)。
化粧品製造業の許可区分
化粧品製造業の許可には、次の2つの区分があります。
| 区分 | 行える工程 |
|---|---|
| 一般区分 | 化粧品の製造工程の全部または一部 |
| 包装等区分(包装・表示・保管) | 化粧品の製造工程のうち、包装・表示・保管のみ |
出典:東京都健康安全研究センター「化粧品と医薬品医療機器等法について」、埼玉県「初めて医薬品・医薬部外品・化粧品を製造販売、製造、輸入される方へ」
宮城県は、包装等区分の「包装」には製品を化粧箱に入れるなどの包装行為が、「表示」には法定表示を製品に貼付するなどの行為が含まれると説明しています(出典:宮城県「化粧品を初めて製造・製造販売する方へ」)。
つまり、化粧品を化粧箱やギフトボックスに詰める、表示ラベルを貼るといったアッセンブリ作業は、包装等区分の範囲にあたります。一方で、中身の充填など包装・表示・保管以外の工程は、包装等区分には含まれません。
医薬部外品製造業の許可区分
医薬部外品にも同様の区分があり、包装・表示・保管のみを行う場合は「包装等区分」の許可が必要です。
| 区分 | 行える工程 |
|---|---|
| 無菌区分 | 無菌医薬部外品の製造工程の全部または一部 |
| 一般区分 | 無菌医薬部外品以外の医薬部外品の製造工程の全部または一部 |
| 包装等区分 | 医薬部外品の製造工程のうち、包装・表示・保管のみ |
出典:岡山県「医薬部外品を製造・製造販売される方へ」、埼玉県「初めて医薬品・医薬部外品・化粧品を製造販売、製造、輸入される方へ」
薬用化粧品や薬用はみがき類、浴用剤(薬用入浴剤)などの医薬部外品をセット組する場合は、化粧品とは別に医薬部外品製造業の許可が必要です。化粧品と医薬部外品が混在するセットでは、委託先が両方の許可を持っているかを確認しましょう。
市場への出荷判定前の製品は許可のある製造所で保管する
化粧品は、製造販売業者が市場への出荷可否を判定してから市場に出荷されます。出荷可否の判定が済んでいない製品は、製造業許可を取得した製造所で保管する必要があります(出典:東京都健康安全研究センター「化粧品と医薬品医療機器等法について」)。
ギフトセットを出荷判定前にセット組する場合は、出荷判定が済むまで製造業許可のある製造所で保管することになります。
すでに市場に出荷された製品の扱い
製造販売業者が市場に出荷した後の化粧品は、販売・授与や保管に許可は必要ありません。ただし、出荷済みの製品であっても、製造業許可のない事業者がラベルの変更などの製造行為を行うことはできないとされています(出典:東京都健康安全研究センター「化粧品と医薬品医療機器等法について」)。
出荷済みの化粧品を新しいギフトセットに組み込む作業が製造にあたるかどうかは、作業内容によって判断が分かれます。計画段階で、製造販売業者や管轄の都道府県の薬務担当窓口に確認しておくと安心です。
▶関連記事:化粧品製造業許可がある倉庫とは?保管だけでも必要な理由とおすすめ倉庫を紹介
化粧品とグッズを組み合わせたセット商品の注意点
キャラクターデザインのコスメにアクリルスタンドを付ける、ハンドクリームとポーチを組み合わせるなど、化粧品とグッズを一つにまとめたセット商品も増えています。こうした商品では、次の点に注意が必要です。
作業場所
化粧品を化粧箱やセット箱に詰める作業は包装にあたるため、化粧品製造業許可のある作業場所で行う必要があります。
表示
化粧品の法定表示が箱の中に隠れて見えなくなる場合の外装表示について、製造販売業者と事前に取り決めておきます。医薬部外品では、中の容器の表示が外から見えない場合、外箱にも同じ事項を記載する必要があります(出典:岡山県「医薬部外品を製造・製造販売される方へ」)。
作業の流れ
グッズだけのセット組と化粧品を含むセット組を、別の場所・別の作業として管理します。
役割分担
化粧品の品質や表示について最終責任を負うのは製造販売業者です。委託先には、製造販売業者と取り決めた仕様どおりに作業してもらう形になります。
グッズのセット組に慣れた委託先でも、化粧品製造業許可がなければ化粧品を含むセット組は依頼できません。反対に、許可のある委託先でも、グッズの多品種セット組に対応できるとは限りません。両方に対応できるかを確認することが、委託先選びの出発点になります。
許可が必要な流通加工の委託先を選ぶポイント
許可の種類・区分と作業場所が一致しているか
製造業許可は、製造所(作業場所)ごとに取得するものです。委託先の会社が許可を持っていても、実際に作業する拠点が許可を取得していなければ意味がありません。
確認すべきは次の3点です。
- ・化粧品製造業許可・医薬部外品製造業許可のどちらを持っているか
- ・許可区分(一般区分/包装等区分)が依頼したい作業に合っているか
- ・実際に作業を行う拠点が許可を取得しているか
製造販売業者との役割分担が明確か
化粧品・医薬部外品の製造業者は、製造販売業者の委託を受けて作業を行う立場です。出荷可否の判定、品質に関する取り決め、記録の保管方法などについて、製造販売業者と委託先の役割分担を契約前に整理しておきましょう。
グッズのセット組にも対応できるか
化粧品とグッズを組み合わせた商品を扱うなら、許可だけでなく、多品種のグッズを正確にセット組する作業力も必要です。セット組、同梱、シュリンク、組み立てなど、依頼したい作業の範囲に対応できるかを確認します。
作業仕様書と検品の仕組みがあるか
アッセンブリの品質は、作業仕様書の精度で決まります。構成表、作業手順、完成見本、検品方法を、委託先と一緒に作り込めるかどうかを確認しましょう。入れ忘れを防ぐ重量検品や、ロット・使用期限の確認方法もあわせて確認しておくと安心です。
繁忙期の作業量に対応できるか
福袋や季節のギフトセットは、作業時期が集中します。必要な時期に人員と作業スペースを確保できるか、発注の何週間前までに相談が必要かを事前に確認しておきましょう。
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化粧品・医薬部外品のアッセンブリならグロップ
株式会社グロップは、化粧品製造業許可・医薬部外品製造業許可(包装・表示・保管)を取得した拠点があり、千葉・岡山の東西でアッセンブリに対応可能です。
対応できる作業は、アッセンブリ、組み立て、封入、セット組み、シュリンク、キッティングです。化粧品・医薬部外品を含むセット組はもちろん、キャラクターグッズや玩具、福袋などの詰め合わせについてもご相談いただけます。セット商品の企画段階でも、作業内容や必要な許可の整理からお気軽にご相談ください。
よくある質問
化粧品のギフトセットを作る作業には、どの許可が必要ですか?
化粧品を化粧箱やギフトボックスに詰める作業は「包装」にあたるため、化粧品製造業許可(包装等区分以上)が必要です。作業する拠点ごとに許可が必要な点にも注意しましょう。個別のケースについては、製造販売業者や管轄の都道府県に確認することをおすすめします。
グッズだけのセット組にも許可は必要ですか?
化粧品・医薬部外品・医薬品・医療機器などを含まない、キャラクターグッズや玩具だけのセット組には、薬機法の製造業許可は必要ありません。ただし、商品によっては別の法令に基づく表示が求められる場合があるため、商品ごとに確認しておきましょう。
化粧品とグッズを組み合わせたセット商品も委託できますか?
化粧品製造業許可を持ち、グッズのセット組にも対応できる委託先であれば依頼できます。化粧品の法定表示の扱いや作業の切り分けについて、製造販売業者を交えて事前に取り決めておくとスムーズです。
医薬部外品と化粧品が混在するセットはどうなりますか?
化粧品製造業許可と医薬部外品製造業許可は別の許可です。両方を含むセットを依頼する場合は、作業拠点が両方の許可を取得しているかを確認しましょう。
この記事のまとめ
アッセンブリは、複数の商品を組み合わせて一つの販売単位に仕上げる流通加工(物流加工)の作業です。キャラクターグッズや玩具、福袋の詰め合わせでは、組み合わせの正確さと繁忙期の対応力が品質を左右します。
一方、化粧品・医薬部外品のアッセンブリでは、化粧箱への詰め込みやラベル貼りが薬機法上の「製造」にあたります。そのため、作業する拠点が化粧品製造業許可・医薬部外品製造業許可(包装等区分以上)を取得していることが前提になります。
委託先を選ぶ際は、許可の種類・区分と作業場所が一致しているか、グッズのセット組にも対応できるか、作業仕様書と検品の仕組みがあるかを確認しましょう。化粧品とグッズを組み合わせた商品を企画している場合は、早めに委託先へ相談することをおすすめします。