【セミナーレポート】明日から変えられる現場での事故事例ウェビナー_2026年9月開催

本ウェビナーは、現場で実際に発生した事故事例をもとに「何が起きたのか」を共有し、 再発防止につながる視点を整理する定期開催コンテンツです。
今回は「発生状況(事故の起こり方)」を中心に取り上げ、 明日から現場で意識できるポイントを解説します。
目次
今月の事故発生傾向
2026年8月は、以下のような傾向が確認されました。
22件の業務災害が発生。過去最多だった前月(30件)からは減少に転じた
型別では「躓き・転倒」「動作の反動・無理な動作」が各6件(27.27%)で、この2つで全体の半数以上を占めた。前月に過去最多(9件)となった熱中症は2件(9.09%)に減少
業種別では製造業(食品以外)が10件(45.45%)と最多。就業期間別では1年以上が11件(50.00%)、1〜3か月の経験が浅い層が7件(31.82%)
世代別では50代が11件(50.00%)と、全体の半数を占めた
回転機械での挟まれ・巻き込まれ事故は0件でしたが、「ルール違反」や「ルールそのものが無い」ことが背景にある事故が多く発生しています。物理的な安全対策の前に、その土台となる現場のルールを見直す必要があります。
現場のルール、「形だけ」になっていませんか?

現場のルールの目的は、ケガが無い・品質異常が無い・業務効率が良いという「正しい状態」を維持することです。「正しい状態」を定義するには、「異常」も定義し、それらを全員が同じ基準で判断できるようにしておく必要があります。
今回の事故は、大きく次の2つに分けられます。
ルールが無い場合:リスクアセスメントを実施し、正常・異常を明確に定義したうえで、新たにルールを作る
ルールに違反している場合:ルールを守らせることに加えて、「そもそも現実的に守れるルールなのか?」という視点で前提を再検証する
リスクアセスメントの4つの手順
(1)職場に潜む危険性または有害性を特定する(危険予知)
(2)リスクの程度(大きさ)を見積もる
(3)見積もりをもとに、リスク低減の優先度を決め、低減措置を検討する
(4)決定したリスク低減措置を実施する
個人の勘や経験に頼らず、話し合いで危険度を数値化・優先順位化することで、部署全体で危険に対する目線を合わせることができます。あわせて、作業員一人ひとりが「私は大丈夫」と思わずに、異常に気づけるよう危険予知活動を続けることも大切です。
事故事例①|ルール違反(ゴミ袋を持って階段を降りる際に踏み外し)

事故概要
金属製品製造業の現場において、ゴミ袋を持って2階事務所から階段を降りていたところ、最後の1段で足を踏み外し、右足首を捻った事例です(20代女性、業務経験1年8ヶ月、休業見込21日)。
右足首の靱帯損傷に至りました。
片手にゴミ袋を持っていて手すりを持っておらず、最後の1段で気が緩んでいたことが背景にあります。
事故のポイント
階段は「最後の1段」で気が緩みやすい。降りきるまで足元を確認することを徹底する
「手すりを持つ」ルールは、片手がふさがっていると守れない。物を持って階段を使う作業がある場合は、袋をまとめる・運ぶ量を減らすなど、手すりを持てる状態を作ったうえでルールを守らせる
事故事例②|ルール違反(薬液の移し替え中に飛散した薬液が目に入る)

事故概要
化学工業の現場において、薬液を調合する工程で移し替え作業をしていた際、飛散した薬液がスタッフの右目に入った事例です(40代女性、業務経験2か月、休業見込7日)。
外傷性結膜炎・角膜上皮剥離に至りました。
SDS(安全データシート)の教育は実施していたものの、保護メガネを着用するルールが徹底されていませんでした。
事故のポイント
教育を実施したことと、ルールが守られていることは別。保護具の着用は、作業開始前に管理者が着用を確認する手順まで組み込む
保護メガネが着用されない場合は、曇る・見えにくい・すぐ手に取れる場所に無いなど、守れない理由が無いかを確認し、ルールの前提から見直す
事故事例③|ルールなし(床に置かれたパレットの隙間に足を引っ掛けて転倒)

事故概要
運輸業の現場において、製品の荷受け作業中、床に置いてあったパレットの隙間に足が引っ掛かり、バランスを崩して転倒した事例です(40代女性、業務経験2ヶ月、休業見込14日)。
右足首の靱帯損傷・打撲・不全骨折に至りました。
パレットの置き場所を決める定置管理のルールが無かったことに加え、空調はあったものの、初めての夏で暑さによる疲労が溜まっていたことも背景にあります。
事故のポイント
パレットの置き場所・向き・置いてよい範囲を決める(定置管理)。置き場所が決まっていないと、通路や作業場所に躓きの原因が残り続ける
入社して初めての夏を迎えるスタッフは、暑さによる疲労で足元への注意が落ちやすい。空調服の支給や熱中症の再教育など、暑さへの備えも転倒防止の一部として行う
事故事例④|ルールなし(万力の柄が滑り親指を亜脱臼)

事故概要
生産用機械器具製造業の現場において、加工するワークを万力で固定しようとした際、柄の部分が反対方向に滑り、親指が手の甲の方向へ強く捻られた事例です(30代男性、業務経験4ヶ月、休業見込20日)。
芯棒に対して動く持ち手が想定以上に動いて親指に当たり、右手親指付け根の亜脱臼に至りました。
溶接作業には手順があったものの、万力での固定については手順がありませんでした。
事故のポイント
主作業(溶接)には手順があっても、その前後の付帯作業(固定・準備)は手順が抜けやすい。リスクアセスメントで付帯作業も含めて危険を洗い出す
万力などの工具は「誰でも使える」と思われがちで、使い方を教わらないまま作業していることが多い。持ち手の握り方・力のかけ方を手順として決め、ルール化する
事故事例⑤|その他(コンテナを4段目に積み上げる際に親指を挟まれる)

事故概要
食料品製造業の現場において、重量約15kgのコンテナを4段目(高さ150cm)に積み上げる作業中、取っ手部分に右手親指が挟まって抜けなくなった事例です(50代男性、業務経験1か月、休業見込21日)。
親指にコンテナの荷重が集中し、右手親指の靱帯損傷に至りました。
入社13日で作業に不慣れな中、積荷作業に加えて集計作業も頼まれ、本来2名で行う作業を1人で焦りながら対応していました。
事故のポイント
2名作業のルールがあっても、人手が足りないときに1人で作業してしまう。「2名で作業できないときはどうするか」まで決めておく
入社間もないスタッフに複数の作業を同時に頼むと、焦りから無理な動作が起きやすい。作業の割り振りは経験に合わせて調整する
高い位置への積み上げで指が挟まりやすい取っ手は、コンテナ自体の変更も含めて検討する
まとめ|事故の背景にある「ルール」を見直す
2026年8月の業務災害は22件と、過去最多だった前月から減少しました。熱中症も9件から2件へと大きく減っています。一方で、半数以上は躓き・転倒や腰痛といった行動災害でした。
今回の5事例を振り返ると、ルールがあっても守られていなかった事故(階段の手すり・保護メガネ)と、そもそもルールが無かった事故(パレットの定置管理・万力の固定手順)、そして人手が足りないときの決まりが無かった事故(2名作業)に分かれます。
ルールが無い作業はリスクアセスメントで洗い出して新たにルールを作り、守られていないルールは「現実的に守れるルールなのか」から見直すことが、再発防止の第一歩になります。
株式会社グロップでは、労災認定の有無に関わらず 「健康で安全に働けるか」を基準に、 現場ごとの課題に応じた安全指導・パトロール・個別相談を実施しています。
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本ページでご紹介した事故事例は一部です。
投影資料には2026年8月に起きたすべての事故事例が掲載されています。
※資料はベトナム語版・ポルトガル語版のご用意もございます。
資料DLページへ※所要時間:1〜2分
次回予告|明日から変えられる現場での事故事例ウェビナー
次回のウェビナーでは、9月に発生した最新の事故事例をもとに、 現場で見落とされがちなリスクと再発防止策を解説します。
・現場で実際に起きた最新事故事例
・事故の背景にある行動・環境要因
・明日から実践できる安全対策のヒント
開催日程:2026年10月20日(火) 11:30 〜 10月22日(木) 12:00(期間中いつでも視聴可能な無料オンデマンド配信)
安全パトロールや個別相談も随時受け付けています。
現場の安全対策にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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※所要時間:1〜2分
