【セミナーレポート】明日から変えられる現場での事故事例ウェビナー_2026年3月開催

明日から変えられる現場での事故事例ウェビナー レポート
本ウェビナーは、現場で実際に発生した事故事例をもとに「何が起きたのか」を共有し、 再発防止につながる視点を整理する定期開催コンテンツです。
今回は「発生状況(事故の起こり方)」を中心に取り上げ、 明日から現場で意識できるポイントを解説します。
目次
今月の事故発生傾向
2026年2月は、以下のような傾向が確認されました。
前月(21件)から減少したものの、14件の業務災害が発生
うち4日以上休業が4件で、骨折や指の欠損など重篤な事故が複数発生
「挟まれ・巻き込まれ」が最も多く、稼働中の機械への不用意な接触が目立った
引き続き冬季特有の寒さによる身体のこわばりに加え、想定外の重量・動き・飛散に対する備えの甘さが事故につながるケースが見られた
件数は減少傾向にあるものの、1件あたりの重篤度が増しています。「起きた事故の重さ」に目を向け、現場の仕組みそのものを点検する視点が求められます。
事故事例①|挟まれ・巻き込まれ(機械清掃中の指切断)

事故概要
食品製造業(精肉工場)において、鶏肉の皮を取り除く機械を清掃中に発生した事故です。
作業者はスポンジを使ってベルトコンベア部分を清掃していましたが、その際、機械を停止させずに作業を行っていました。清掃中、ラインエンドにある回転刃にスポンジと手袋ごと指が巻き込まれ、右手親指の切断および右手人差し指の挫滅創という重大な負傷を負いました。
本来、清掃作業を行う際は機械を停止させるルールになっていましたが、作業者本人の判断で機械を動かしたまま清掃を行っていたことが直接的な原因です。
また、機械側にも安全装置が設置されておらず、指が挟まれても機械が停止しない構造になっていたことも、被害が拡大した要因として挙げられています。
事故のポイント
本件は重大な事故であるため、押さえるべきポイントが5つあります。
(1) 類似事故が存在している。グロップの派遣先でも、ラインエンドでの指切断(食品工場)、スライサーの刃に触れての指先欠損(食品工場)、ローラー清掃中の腕の巻き込まれ骨折(木材加工工場)、ミキサー清掃中の指切断(機械製造業)など、機械を動かしたまま清掃・異物除去を行ったことによる重傷事故が複数発生している
(2) 法令上、清掃時の機械停止は事業者の義務である。安全衛生規則第107条では、機械の掃除・給油・検査・修理・調整を行う際、労働者に危険を及ぼすおそれがあるときは機械の運転を停止しなければならないと定められている。さらに、停止後は起動装置に錠をかけ、表示板を取り付けるなど、他の作業者が誤って起動することを防止する措置も求められている
(3) 刃部についてはより厳格な規定がある。安全衛生規則第108条では、機械の刃部の掃除・検査・修理・取替え・調整を行うときは、機械の運転を停止しなければならないとされている。また、運転中に切粉払いや切削剤を使用する場合は、労働者にブラシその他の適当な用具を使用させなければならず、労働者もその用具の使用を命じられたときは使用しなければならない
(4) 機械を止めて清掃することが困難な場合は、代替措置を講じる必要がある。具体的には、①危険部へ接触できない構造にすること(ガードの設置、清掃用開口部の限定、手が届かない距離の確保)、②専用清掃用具を使用すること(長柄ブラシ、エアブロー、吸引装置、自動洗浄ノズル、スクレーパー付き治具など)が挙げられる
(5) 設備面の対策に加えて、作業手順書の作成と安全教育・緊急時の訓練を清掃作業者全員に対して実施することが、再発防止の基盤となる
事故事例②|有害物との接触(アルカリ系洗剤の飛散)

事故概要
機械の洗浄作業中、他の作業者がホースで放出したアルカリ系洗剤の希釈液が跳ねて左目に入った事例です。
洗剤を直接扱っていた作業者は保護メガネを着用していましたが、周囲にいた別の作業者は着用しておらず、飛散した液が目に入る結果となりました。
保護具の着用ルールが「作業」に紐づいていたため、同じエリアにいながら着用対象外となっていたことが背景にあります。
事故のポイント
保護具着用ルールは「作業」ではなく「エリア」で紐づけることで、周囲の作業者も含めたリスクに対応できる
洗剤を使用するエリアでは、清掃担当スタッフ全員が保護メガネを着用する想定が必要
事故事例③|切れ・こすれ(プラ板切断中のカッター滑り)

事故概要
プラ板を切断する際、素材が固かったため力をかけて縦方向に切断したところ、刃が滑り、自身の右腿内側を切ってしまった事例です。
硬い素材を一度で切ろうとして力を込めた結果、刃のコントロールを失い、身体に接触する事故につながりました。
事故のポイント
カッター使用時は「刃の進行方向に手・脚を置かない」ことが基本。身体と刃の接触を防ぐ配置を意識する
「力」ではなく「回数」で切る。分厚いものを一度で切ろうとして力を込めると、刃がコントロールを失いやすくなる
事故事例④|動作の反動・無理な動作(パレット持ち上げ時の衝突)

事故概要
パレットを持ち上げようとしたところ、想定より軽く、勢いあまって自分の鼻に当ててしまい、鼻の下部が切れて出血した事例です(3針縫合)。
重さの見込み違いにより、身体のコントロールが効かなくなったことが直接の原因です。見た目だけでは重量が判断できない状況が、こうした事故を引き起こします。
事故のポイント
パレットに限らず、重量の「見える化」は事故防止に有効な手段のひとつ
色で分ける・注意喚起表示をつける・保管場所そのものを分けるなど、持ち上げる前に重さが分かる仕組みづくりが重要
事故事例⑤|墜落・転落(階段の踏み外しによる転倒)

事故概要
階段を降りる際、最後の一段目を踏み外し転倒した事例です。
右手で手すりを持っていたものの、手すりを掴んだ手を支点に反転しながら倒れ込み、左の前腕・臀部・脇腹・手首を打撲しました(1日休業)。
手すりを持っていても、身体の勢いが加わると支えきれずに転倒に至ることがあります。
事故のポイント
弊社派遣先で発生した階段での事故は、8割以上が「降りる時」に発生している
手すりを持つことはもちろん、残りの段数の見える化(ステップへの表示等)なども効果的な対策
事故事例⑥|飛来・落下(コイル落下による下腿骨粉砕骨折)

事故概要
作業台の上にあるコイル(21kg)を持ち、横へスライド移動しようとした際、作業台の高さ調整のため足元にセットしてあった木板に足をひっかけバランスを崩しました。
結果、コイルを右足首付近に落下させてしまい、右足下腿骨の粉砕骨折に至った重篤な事例です(60日休業)。
重量物の人力移動そのものにリスクがあり、足元の環境整備も含めた対策が求められます。
事故のポイント
人力での移動を廃止する方向で検討が進められている(本質安全化)
暫定対策として、前が見える高さで持ち上げられるよう作業台の積み方を見直し、足甲プロテクターを導入
まとめ|「想定の甘さ」が事故の入口になる
今回の6事例に共通するのは、作業者の不注意だけでは説明できない「想定の甘さ」が背景にあるという点です。
保護具のルールが「作業単位」にとどまっていたために周囲の作業者が対象外になっていたり、重さが見た目で分からないまま持ち上げ動作に入ってしまったり、足元の障害物に気づかず重量物を扱っていたり——いずれも「こうなるかもしれない」という想定がもう一段あれば、防げた可能性のある事故です。
また、階段での事故データが示すように、「降りる時」にリスクが集中するといった傾向を把握し、対策に反映することも重要です。
事故を未然に防ぐには、保護具・道具・作業環境のそれぞれについて「もう一段先の想定」を仕組みとして組み込むことが求められます。
個人の注意喚起に頼るだけでなく、ルール設計・重量の見える化・本質安全化といった構造的な対策を継続的に進めていくことが、再発防止への確かな一歩です。
株式会社グロップでは、労災認定の有無に関わらず 「健康で安全に働けるか」を基準に、 現場ごとの課題に応じた安全指導・パトロール・個別相談を実施しています。
投影資料のダウンロード
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本ページでご紹介した事故事例は一部です。
投影資料には2026年2月に起きたすべての事故事例が掲載されています。
資料DLページへ※所要時間:1〜2分
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事故事例資料もセットでお送りしております。
現場での外国人労働者の安全教育に、ぜひご活用ください。
次回予告|明日から変えられる現場での事故事例ウェビナー
次回のウェビナーでは、最新の事故事例をもとに、 現場で見落とされがちなリスクと再発防止策を解説します。
・現場で実際に起きた最新事故事例
・事故の背景にある行動・環境要因
・明日から実践できる安全対策のヒント
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