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個人情報の電子化(データ入力・スキャニング)を安全に外部委託する方法とセキュリティ対策

個人情報の電子化(データ入力・スキャニング)を安全に外部委託する方法とセキュリティ対策

紙の書類は、なくなりません。

デジタル化が叫ばれて久しいですが、現実の業務現場では今も膨大な量の紙が流通しています。申込書、契約書、アンケート用紙、診療記録、入会届——それらの書類に記載された氏名・住所・生年月日・電話番号といった個人情報を、システムに入力したり、スキャンしてデジタルデータとして保存したりする作業は、多くの企業で日常的に発生しています。

問題は、この作業が地味なわりにリスクが高いという点です。
データ入力やスキャニングは繰り返しのルーティン作業で、専門知識は不要に見えます。だから外部に任せてしまいたい。しかしそこには氏名・住所・生年月日といった個人情報が大量に含まれています。ひとたび漏えいすれば、当事者への謝罪・賠償だけでなく、企業の信用失墜という取り返しのつかない事態につながります。

「外注したいが、個人情報を渡すのが怖い」「どこまで任せていいのかわからない」「委託先の管理体制を何で判断すればいいのか」——そうした悩みを抱えた担当者の方に向けて、この記事では個人情報の電子化業務を外部委託する際の具体的な方法と、安全性を担保するためのセキュリティ対策を整理します。

個人情報を含むデータ入力・スキャニング業務のアウトソーシングについて、まずはお気軽にご相談ください。

個人情報の電子化とは何か――業務の全体像

「電子化」という言葉は広い意味で使われますが、ここでは「紙に記載・記録された個人情報をデジタルデータに変換する一連の業務」を指します。具体的には次のような作業が含まれます。

スキャニングは、紙の書類をスキャナで読み取り、画像データ(PDF・TIFFなど)として保存する作業です。書類の内容をそのまま画像として保存するため、情報の損失がなく、原本の代替として扱いやすいです。大量の紙書類を管理するコスト・スペースの削減に直結します。

データ入力は、紙書類やスキャン画像に記載された情報をシステムやデータベースに手入力する作業です。単純に文字を転記するだけでなく、所定のフォーマットへの整形、コード変換、チェック処理が伴うことも多くあります。

OCR処理(光学文字認識)は、スキャンした画像から文字を自動認識してテキストデータに変換する技術です。近年は精度が向上していますが、手書き文字や特殊なレイアウトへの対応には限界があり、目視による確認・修正が欠かせない場面も多くあります。

これらの作業は単独で行われることもあれば、「受付→スキャニング→データ入力→システム登録→書類保管(または廃棄)」という一連のフローとしてセットで委託されることもあります。

電子化の対象となる書類は業種によって異なります。医療機関であれば診療申込書や問診票、金融機関であれば口座開設申込書や各種変更届、自治体や公的機関であれば申請書・届出書類、小売・EC事業者であれば会員登録用紙やアンケート用紙など、様々な場面で個人情報を含む紙書類が発生します。

なぜ電子化業務の内製化は限界を迎えるのか

個人情報の電子化業務は、一見すると単純な繰り返し作業です。しかし、内製化を続ける企業が限界を感じるのにはいくつかの理由があります。

処理量の波が激しい。キャンペーン期間・申込受付期間・年度末など、特定の時期に書類が集中して届きます。通常時の体制では処理しきれず、残業・休日出勤が常態化します。かといってその繁忙期に合わせて人員を増やせば、閑散期に余剰人員が生まれます。

単純作業に専門人材のリソースが奪われる。データ入力は専門知識を必要としない作業です。にもかかわらず、本来コア業務を担うべき人材がこれに時間を取られている状況は、会社全体で見れば明らかな機会損失です。

属人化のリスクが高い。入力作業を担う特定の担当者が退職・異動すると、作業の手順が伝わらなくなる、または処理が滞るというケースは多くあります。「あの人しか入力できない」という状況は、業務継続のリスクそのものです。

ヒューマンエラーが起きやすい。単調な繰り返し作業は集中力が途切れやすく、入力ミスが生じやすいです。一方でミスの影響が大きい(顧客の氏名・住所の誤りは信頼を損なう)という構造的なジレンマがあります。

こうした課題が重なった結果、「専門業者に任せた方が品質も上がり、コストも最適化できる」という判断に至る企業が増えています。

外部委託で生じる3つのリスクとその本質

電子化業務を外部委託する際の最大の懸念は、個人情報の漏えいです。しかしひとくちに「漏えいリスク」と言っても、その発生経路はいくつかに分類できます。リスクの本質を理解することが、適切な委託先を選ぶ第一歩になります。

リスク①:データの受け渡し経路の脆弱性

委託業務に着手するにあたって、依頼元は委託先に対して対象書類やスキャン画像、入力仕様書などを渡す必要があります。このとき、メールの添付ファイルでやり取りされているとしたら、誤送信・盗聴・端末への残存というリスクが生じます。

「認証のかかっていないクラウドストレージに書類をアップロードしてURLを共有する」「担当者の私用メールアドレスに送ってしまった」——こうした事例は、意外にも大企業でも起きています。受け渡し方法が属人的・口頭確認レベルで運用されている委託先は、そもそも信頼に足る情報管理体制を持っていない可能性があります。

リスク②:作業環境の物理的なセキュリティ不備

委託先が「内勤で対応します」と言っていても、その作業室に誰でも入れる状態であれば意味がありません。書類や作業用PCが無施錠のロッカーで保管されている、退室時にモニターが丸見えになっている、廃棄書類がシュレッダー処理されずにゴミ箱に捨てられている——こうした物理的な管理不備は、内部関係者による持ち出しや、部外者による盗み見というリスクにつながります。

在宅スタッフを活用している委託先の場合は、さらに注意が必要です。作業データが個人のPCに保存されたまま残る、作業中の画面を家族が見ている、私用USBに書き出してしまう——こうした自宅環境特有のリスクへの対策が講じられているかどうかを確認しなければなりません。

リスク③:チェック体制の不備による誤入力・改ざん

セキュリティの問題は「情報が外に漏れること」だけではありません。「誤った情報がシステムに入力されること」も、対顧客のトラブルやシステム障害につながる重大なリスクです。

入力担当者が自分でチェックするだけの「セルフチェック」体制では、入力ミスの見逃しが高確率で発生します。作業者と点検者を分離した「ダブルチェック体制」があるかどうかは、品質面だけでなく内部統制の観点からも重要なポイントです。

安全な外部委託を実現するための5つの確認ポイント

上記のリスクを踏まえたうえで、委託先を選定・評価する際に確認すべき具体的なポイントを整理します。

確認ポイント①:プライバシーマーク(Pマーク)またはISMS認証の取得

プライバシーマークは、個人情報の取り扱いに関する体制が一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)によって審査・認定された事業者に付与されるマークです。ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証はISO/IEC 27001に基づく認証で、情報セキュリティ全般の管理体制が整備されていることを示します。

どちらも「取得しているから絶対安全」というわけではありませんが、組織として情報管理に継続的に取り組んでいるという姿勢の証左になります。認証を取得・維持するためには定期的な審査・更新が必要であり、形式的な取り組みでは維持できません。

逆に言えば、これらの認証を持っていない委託先に個人情報を含む業務を任せることは、相応のリスクを引き受けることを意味します。

確認ポイント②:データ・書類の受け渡し方法

前述した通り、書類やデータの受け渡し経路はリスクの発生点になりやすいです。以下を具体的に確認しましょう。

紙書類の場合、郵送か宅配便を使うとして、追跡可能な方法で送付されているか。受け取り・返却・廃棄の記録が残る仕組みがあるか。スキャン画像や入力データの場合、認証を必要とするセキュアなシステムを介してやり取りされているか。個人メールや一般的なファイル共有サービス(認証なし)での受け渡しが行われていないか。

「どのようにデータを受け渡しますか?」という質問に対して、具体的なシステム名や手順を即答できない委託先は要注意です。

確認ポイント③:作業拠点の物理的なセキュリティ

内勤作業を行う拠点の環境についても、事前に確認・可能であれば見学をしておきましょう。具体的には次の点を確認してください。

入退室管理が施されているか(ICカード認証、施錠管理など)。作業室が関係者以外立ち入り禁止になっているか。書類・媒体(USBメモリなど)の持ち込み・持ち出し管理のルールがあるか。廃棄書類のシュレッダー処理が徹底されているか。PCへのUSB接続やクラウドストレージへのアクセスが制限されているか。

こうした環境整備は、単に設備を整えるだけでなく、スタッフへの教育・運用ルールの浸透があって初めて機能します。「設備はある、でもスタッフが守っていない」という状態では意味がありません。

確認ポイント④:在宅スタッフを活用する場合の追加対策

コスト・柔軟性の観点から、在宅スタッフを活用するBPO業者は多いです。在宅対応それ自体を否定する必要はありませんが、在宅環境特有のリスクへの対策が講じられているかを確認することが重要です。

理想的な対策の一例が「遠隔操作(リモートビュー)方式」です。在宅スタッフが自宅のPCから、委託先の事業所内に設置された専用PCを遠隔操作して作業を行うこの方式では、作業データが在宅スタッフのPC上に一切残りません。自宅環境でのデータ残存リスクを根本から排除できます。

このような方式を取っていない場合でも、「業務用PCを貸与しているか」「ウイルス対策ソフトの導入を義務付けているか」「作業ログが取られているか」といった観点での確認は欠かせません。

確認ポイント⑤:ダブルチェック体制と品質管理の仕組み

入力作業と点検作業を別のスタッフが担当する「ダブルチェック体制」があるかどうかは、品質管理の基本です。「入力した本人が見直す」という自己チェックだけでは、心理的なバイアスによりミスを見逃しやすくなります。

加えて、エラー率の実績データを開示できるか、業務開始前にどのようなマニュアル整備・研修を行っているかも確認しておきましょう。「問題が起きてから対応する」のではなく、「問題が起きない仕組みを持っている」委託先かどうかを見極めることが重要です。

委託前に整備しておくべき自社側の準備

外部委託のセキュリティは、委託先だけの問題ではありません。依頼元である自社側にも、整備しておくべきことがあります。

個人情報保護法上の「委託先の監督義務」を理解する。個人情報保護法では、個人情報取扱事業者が個人データの取り扱いを外部委託する場合、委託先が個人データを安全に管理するよう「必要かつ適切な監督」を行わなければならないと定めています(第25条)。つまり、委託先で漏えいが起きた場合、依頼元企業も責任を問われる可能性があります。「任せたから関係ない」では済まないのです。

委託先との契約に「秘密保持条項」「再委託禁止または承認条項」「漏えい時の報告義務」を盛り込む。口頭での約束では法的な根拠になりません。特に、委託先が業務の一部をさらに別の事業者に再委託するケース(二次委託)は、管理が届きにくくなるため、契約で制限または事前承認を必要とする条件を明記しておくことが重要です。

作業仕様書・マニュアルをしっかり作り込む。委託先に「こういう書類が来るので、こう処理してほしい」という具体的な仕様を文書で渡さなければ、曖昧な解釈によるミスや、不必要に多くの情報へのアクセスが発生します。「最小権限の原則」——作業に必要な情報のみを渡し、それ以上のアクセスを与えない——を意識した仕様設計が求められます。

廃棄・返却のルールを明確にする。作業完了後、原本書類はどうするか、作業用データはいつ削除されるか、削除の証明はどのように行うかを契約前に取り決めておきましょう。「作業が終わったはずなのに、先方のPCにデータが残っていた」というトラブルは事前に防がなければなりません。

業種別の注意点:どの業界が特に慎重であるべきか

個人情報の電子化業務は業種を問わず発生しますが、特に取り扱うデータの機密度が高い業種は、委託先の選定において一層の慎重さが求められます。

医療・介護分野

患者の診療情報・病歴・処方内容といった「要配慮個人情報」(個人情報保護法第2条第3項)が対象になります。個人情報保護法上でも特別な取り扱いが求められるカテゴリであり、漏えい時のダメージは特に大きくなります。委託先が医療情報を扱う実績・体制を持っているかどうかを慎重に確認しましょう。

金融・保険分野

口座番号・カード情報・資産状況といった情報が電子化の対象になることがあります。金融庁のガイドラインや各種法規制に基づいた情報管理が求められるため、委託先がそれに準拠した体制を持っているかを確認する必要があります。

自治体・公的機関

マイナンバーを含む個人情報が対象になる場合があります。マイナンバー法に基づく特定個人情報の適切な取り扱いができる委託先かどうかは、一般的なプライバシーマークとは別に確認が必要です。

EC・通販事業者

購入履歴・配送先情報・決済情報といった情報が大量に処理されることがあります。不正利用・詐欺被害につながりやすい情報だけに、処理フローのセキュリティは特に厳しく確認すべきです。

失敗事例から学ぶ:外部委託で実際に起きたトラブルのパターン

実際の業務現場で起きやすいトラブルのパターンを整理しておきます。「うちは大丈夫」と思っている担当者こそ、一度目を通しておいてください。

パターン1:再委託先での漏えい

委託したBPO業者が、業務の一部をさらに別の業者(再委託先)に回していました。依頼元はその事実を知らず、再委託先の管理体制も確認していませんでした。その再委託先で情報が漏えいし、依頼元企業にも責任が問われました。契約書に再委託禁止または事前承認条項がなかったことが問題の根本でした。

パターン2:退職した元スタッフによる持ち出し

委託先の元スタッフが退職前に業務データをコピーし、退職後に外部に流出させました。委託先のアクセス権限管理や退職時のデータ消去確認が徹底されていなかったことが原因です。委託先の「従業員管理」「退職時の手続き」がどの程度厳密かを事前に確認することの重要性を示しています。

パターン3:在宅スタッフの端末でのウイルス感染

在宅スタッフが個人のPCで業務を行っていたところ、そのPCがウイルスに感染しており、作業データが外部に送信されていました。「ウイルス対策ソフトの導入を推奨している」という委託先の説明が「義務付け・確認」ではなく「推奨」レベルにとどまっていたことが問題でした。

パターン4:廃棄書類の不適切な処理

作業が完了した紙書類が、シュレッダー処理されずに一般ゴミとして廃棄されていました。委託先のスタッフへの教育・監督が行き届いておらず、廃棄ルールが形骸化していたことが原因です。書類廃棄の証跡(廃棄証明書など)を契約で求めることが有効な対策になります。

【グロップの取り組み】個人情報を含む電子化業務のBPO

最後に、個人情報を含むデータ入力・スキャニング業務のBPOを手がける事業者の一例として、株式会社グロップの取り組みをご紹介します。

グロップは1975年10月13日設立(本社:岡山県岡山市中区さい70-3)のBPO事業者で、郵送・WEB受付の書類審査、データ入力、スキャニングを含む多様なバックオフィス業務を年間4,000件以上のBPO案件として手がけてきた実績があります。

プライバシーマーク取得による情報管理の基盤

グロップはプライバシーマーク取得事業者として、個人情報保護の体制を一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)から認定されています。これは組織全体として個人情報保護法に基づく適切な管理体制を整備・維持していることの証左です。

物理的なセキュリティ環境

内勤スタッフが作業を行うBPOセンター拠点では、セキュリティカードによる入退室管理を実施し、関係者以外が立ち入れない環境を整備しています。紙書類は鍵付き書庫での施錠保管を徹底し、電子データは閉域網の社内共有フォルダで管理してアクセス権限を限定しています。

在宅スタッフのデータ残存リスクへの対応

在宅スタッフを活用する業務では、グロップが独自に開発した認証つき専用サイトを通じて書類・データの受け渡しを行い、個人メールや一般的なファイル共有での受け渡しを排除しています。さらにセキュリティ要件が高い案件には、RemoteView(遠隔操作ツール)を活用したオプションを用意しています。在宅スタッフが自宅PCから事業所内の専用PCを遠隔操作する方式のため、作業データが在宅スタッフのPC上に一切残りません。

ダブルチェック体制による品質担保

入力・スキャニング業務では、作業担当者と点検担当者を明確に分離したダブルチェック体制を採用しています。内勤スタッフによる最終点検を経て納品するオペレーション設計で、入力精度の安定化と品質担保を両立しています。

ワンストップでの対応

受付から書類審査、スキャニング、データ入力、不備コール、書類の保管・廃棄まで、電子化業務の一連のフローをワンストップで請け負うことが可能です。「どこまで委託できるか分からない」という段階からのご相談にも対応しています。

業務内容・処理量・セキュリティ要件に合わせたご提案が可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。

この記事のまとめ

個人情報の電子化(データ入力・スキャニング)業務の外部委託は、繁忙期対応・コスト最適化・品質安定化の面で有効な選択肢です。一方で、委託先の情報管理体制が不十分な場合、漏えい事故の責任は委託元にも及ぶことを忘れてはなりません。

安全な委託先を選ぶための確認ポイントは、プライバシーマーク等の認証取得、データ受け渡し方法の安全性、物理的なセキュリティ環境、在宅スタッフ活用時の追加対策、そしてダブルチェック体制による品質管理の5点に集約されます。また、委託元としても個人情報保護法第25条に定める監督義務を理解し、契約・仕様書・廃棄ルールを整備しておくことが不可欠です。

「任せたから安心」ではなく「安心できる委託先を選び、かつ自社でも管理責任を果たす」という姿勢が、個人情報を扱う電子化業務の外部委託において求められる基本的な考え方です。

個人情報を含むデータ入力・スキャニング業務のアウトソーシングについて、まずはお気軽にご相談ください。

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